夢の解き明かしとヨセフの願い そしてヨセフの主人は彼を捕えて、王の囚人をつなぐ獄屋に投げ入れた。こうしてヨセフは獄屋の中におったが、主はヨセフと共におられて彼にいつくしみを垂れ、獄屋番の恵みをうけさせられた。 <創世記39:20、21> ヨセフは侍衛長の家の監禁所でも、そこの獄屋番の恵みを受けた。 ヨセフが獄屋につながれている時に、二人の役人がヨセフと同じ獄屋に入ってきた。エジプト王の給仕役と料理役である。給仕役、料理役といえども二人とも長である。王の直近の役人たちであった。 ヨセフが買い取られた侍衛長も、獄に入れられた二人も、王を守る大変偉いお役人たちである。下っ端の者であれば、ヨセフ物語はなかったであろう。ヨセフへの神様の取り計らいであったようだ。 侍衛長はヨセフに命じて彼らと共におらせたので、ヨセフは彼らに仕えた。こうして彼らは監禁所で幾日かを過ごした。さて獄屋につながれたエジプト王の給仕役と料理役のふたりは一夜のうちにそれぞれ意味のある夢を見た。 <創世記40:4、5> ヨセフは、早くこの牢を出たいと毎日神に願っていたであろう。そしてついにその祈りは聞かれるかもしれないのだ。二人が夢を見たことを聞くと、ヨセフの胸は高鳴った。 彼らは言った、「わたしたちは夢を見ましたが、解いてくれる者がいません」。ヨセフは彼らに言った、「解くことは神によるのではありませんか。どうぞ、わたしに話してください」。 <創世記40:8> 「解くことは神によるのではありませんか」と言いながら、ヨセフは自分に話すことを促す。 夢を見た二人は、その夢が良いものか、悪い夢なのかがわからないので、ただ不安である。とにかく話して夢の意味を知りたいのである。それに比べヨセフはこの人たちによって何か牢から出る手立てが生まれるかもしれないと、期待しているのである。 神様が与えてくださるチャンスは、期待でハラハラドキドキするものだ。 ヨセフにしてみれば、今すぐにでも願いが叶えられそうな、そのような気もするわけである。ヨセフが牢を出たい気持ちが伝わってくるようだ。 神様のなさる事に期待し続け、切羽詰まった時もあきらめず祈り求めることを、私たちは忘れてはいないだろうか。 自分が病気で、苦しい時や、困ったことがあったときくらいしか、主にぶちまけて祈ることをしていなかったのではないか。 それだけ、私たちは平穏に過ごしているともいえるが、事象だけでなく、信仰において、魂の求めにおいて、主が何とおっしゃるだろうかと、ドキドキするような祈りはどうであろう。 夢を見た二人の結果は、正反対で、一人は助かり、一人は処刑されてしまう。そこでヨセフは助かる方の役人に頼むのである。 今から三日のうちにパロはあなたの頭を上げて、あなたを元の役目に返すでしょう。あなたはさきに給仕役だった時にされたように、パロの手に杯をささげられるでしょう。それで、あなたがしあわせになられたら、わたしを覚えていて、どうかわたしに恵みを施し、わたしの事をパロに話して、この家からわたしを出してください。わたしは、実はヘブルびとの地からさらわれてきた者です。またここでもわたしは地下の獄屋に入れられるような事はしなかったのです」。 <創世記40:13~15> ところが給仕役の長は、この時のヨセフのことをすっかり忘れてしまった。パロが夢を見た話を聞いた時、彼はやっとヨセフのことを思い出すのである。2年後のことであった。 エジプトの王パロに会って以来、ヨセフの人生がガラッと変わる。ヨセフの物語はとても面白く、紙芝居など見ると、子供でなくても見入ってしまうだろう。成功物語はみな大好きである。 ただ、このように素晴らしいヨセフ物語でも、王に会い夢解きをする時まで2年の空白があった。私たちが主に祈り求める時も、待つことが必要な時がある、ということなのだ。 ヨセフがエジプトの王パロの前に立った時は三十歳であった。ヨセフはパロの前を出て、エジプト全国をあまねく巡った。 <創世記41:46> ヨセフは30才でパロの前に立った。奇しくもイエス様が公生涯を始められたのと同じ年であった。 全てのことには、神が定められた時がある。(た)
by mitiru-takae
| 2024-11-23 20:29
| 満ちる
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