命から死へと移った統治権(支配) さて主なる神が造られた野の生き物のうちで、へびが最も狡猾であった。へびは女に言った、「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうに神が言われたのですか」。 <創世記3:1> エデンの園は本当に不思議なところだと思う。 神がエデンの園に人を置いたのは、そこが神と人とが共に住む素晴らしい交わりの園であるからである。人はそこで、他の生き物に名前を付け、まさに神の地の創造の頂点を飾っていたに違いないのである。 ところがそこに不思議な木がある。「善悪を知る木」だ。「この木以外は全て思いのままに食べてもよい」と神が言われたのである。「食べてはいけない木があるなんて、神のなさる事は分からないことが多い。」と思われてしまいそうだ。 人が創造されたときから、神は「祝福と呪い」を目の前に置いた。一番目立つ園の中央にである。 あなたがもし、アダムであり、エバであったならば、命の木の実を見るたびに、善悪を知る木の実に興味をそそられないだろうか。 多分二人は、蛇に言われる前までは、少しも気にすることもなかったであろうと想像する。 エバが蛇の巧妙な問いに答えた時、蛇も木の名前を言わなかったが、エバも「中央にある木」としか言わなかった。これは彼女の「善悪を知る木」に対する意識が低かったからだと、私は思う。もちろん、「これに触れるな、死んではいけないから」と、勝手な解釈をしているのではあるが、これも意識が低いせいでもあろう。私たちも神のお言葉を正確に受け取りたい。 ただ園の中央にある木の実については、これを取って食べるな、これに触れるな、死んではいけないからと、神は言われました」。 <創世記3:3> ところが、蛇はエバの興味を呼び覚ますのである。 へびは女に言った、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。 それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」 <創世記3:4、5> 「神のように…」という言葉はエバの心をくすぐったに違いない。 蛇は、主なる神が造られた野の生き物のうちで、へびが最も狡猾であった。<創世記3:1>とあるように、実に悪賢かったのである。 私はその姿があまり好きではないが、まだ神の預言(創世記3:14参照)がなされていない時の蛇は、優雅で、魅力的であったのかもしれない。 食べるという言葉は、霊的に一つになるということである。 私たちはイエス・キリストを命のパンとしていただく。また主の聖餐では、キリストの血潮をいただく。イエス・キリストを信じて受け入れた者は、主の晩餐に臨むのである。 見よ、わたしは戸の外に立って、たたいている。だれでもわたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしはその中にはいって彼と食を共にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう。 <ヨハネ黙示録3:20> ペテロの見た幻がある。 「わたしがヨッパの町で祈っていると、夢心地になって幻を見た。大きな布のような入れ物が、四すみをつるされて、天から降りてきて、わたしのところにとどいた。 注意して見つめていると、地上の四つ足、野の獣、這うもの、空の鳥などが、はいっていた。 それから声がして、『ペテロよ、立って、それらをほふって食べなさい』と、わたしに言うのが聞えた。 わたしは言った、『主よ、それはできません。わたしは今までに、清くないものや汚れたものを口に入れたことが一度もございません』 すると、二度目に天から声がかかってきた、『神がきよめたものを、清くないなどと言ってはならない』。 <使徒11:6~9> 神が食べるなと定めたものは、なかなか食べられるものではない。許可が出たからと言って、ペテロのように食べるのには大変な葛藤がある。 しかし、悪しき者の誘惑は、貪欲を引き起こす。 考え直してやめるということが難しくなる。ついに、悪しき者の知識と目をもってしまった最初の人アダムとエバは、二度と、神と交わることが出来ないものとなってしまった。エデンの園(命)から、闇(死)へと統治権が移ってしまったのである。(た)
by mitiru-takae
| 2023-11-11 10:00
| 満ちる
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