主のみこころのままに(新改訳) わたしは、主イエスの名のためなら、エルサレムで縛られるだけでなく、死ぬことをも覚悟しているのだ」。 こうして、パウロが勧告を聞きいれてくれないので、わたしたちは「主のみこころが行われますように」と言っただけで、それ以上、何も言わなかった。<使途21:13、14> ここだけを読むと、なんだかパウロが意固地のような感じがしないわけでもありませんね。 しかし、キリストの福音を伝えたい一心のパウロにとっては、宣教のため前に進む以外に自分の命をささげることのできるところはないのです。 わたしにとっては、生きることはキリストであり、死ぬことは益である。<ピリピ1:21> わたしたちは、生きるのも主のために生き、死ぬのも主のために死ぬ。だから、生きるにしても死ぬにしても、わたしたちは主のものなのである。<ローマ14:8> ここまで言えるパウロもすごいですが、このパウロに従っていた弟子たちの必死の声も、すさまじかっただろうなと推測できます。私たちも、この時の弟子たちであったならば、やはり、「パウロ先生には生きてほしい」と思ったに違いないのです。そして自分たちの安全も考えたに違いありません。 ところがどうにもこうにも、パウロの心を変えることはできないわけです。イエス様の道に一途ということはわかりますが、自分の命さえ惜しまない姿は強靭な意志を持っているというより「心がイエス様に燃えている!」そんな感じです。 父(故釘宮義人牧師)が戦後大分駅の前で戦災孤児をお世話していたころの、当時福祉課長であった元大分県知事立木勝氏の日記が娘さんの立木稠子氏(前大分芸術館官長)の手元にありました。それを「山河在り」という書籍として出版したものを、古くからの父の弟子である姉妹からいただきました。 それを見ると、パウロのごとき父の「誰の前でも自分の信念を曲げない」気質がみてとれる文言がありました。 多分、当時の立木福祉課長も釘宮青年を見て「こいつはちょっと違うぞ!」と、一線を画したにちがいないとさえ感じました(笑)。 「釘宮君が来て「わかば園」に送った子供たちのことを案じて色々と意見を具申する。……仝君にしてみれば自分の信念に反する事態は見ておれず……少し我執の点も……よく説き聞かせてそのままわかば園に向かう。【立木勝戦後日記 「山河在り」より抜粋】 なるほど、心が一直線に向かって燃えているときは、周りの人たちからは我執に見えるものだと思う。性格といえばそうかもしれない。若い純粋な熱心さは、時として周りの人たちをがっかりも、あきれさせたりもします。 パウロに対して弟子たちは口々に身を案じての進言をしましたが、最後には自分たちの命をも覚悟させられたのかもしれませんし、これ以上パウロを説き伏せる言葉も見つけられず「みこころのままに」と聖霊によって言わせられたのでしょうか、あきらめたのでしょうか(笑)。 さあ、私たちは主のために周りの心配してくださる方々の前で果たして、主のためには死さえも辞さないと言えるのでしょうか。はっきり言いますが、今の日本のような平和な国で、平和な時にそんなことはなかなか言えませんね。 しかし、もし弱い私たちにも、「いざという時」が来たならば、心から主に「みこころのままに」と言えると、あえて断言できるということです。いざという時が、今なのか、今日なのか、明日なのか、はたまた10年後なのかはわかりませんが。 パウロはキリストの福音は単なる学説ではなく「神の力」だと言っています。 「わたしは福音を恥としない。それは、ユダヤ人をはじめ、ギリシヤ人にも、すべて信じる者に、救を得させる神の力である<ローマ1:16>」 神の力は私たちのうちに働いて、私を強め、頑固なまでに主の道を歩ませることができるものです。 その時が来たならば、何の心配の必要もなく、私たちは皆こぞって「主のために生き、主のために死ぬ」と言えるのです。(た)
by mitiru-takae
| 2018-01-31 23:02
| 満ちる
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