無知の虚栄
彼は北斗、オリオン
プレアデスおよび南の密室を造られた
彼が大いなる事をされることは測りがたく
不思議なことをされることは数知れない
<ヨブ9:9,10>
神様の創造は、本当に不思議で、私たち人間には測りがたいものです。
私たちは自分のことでさえよくわかっていません。ですから、他人に言われて初めて自分の考え方や行動の癖など、思いもよらぬことを知らされたりするとびっくりします。
ヨブは神様の偉大さ、また神様の義を友人たちに言われるまでもなく知っていましたが、神様の前で知らないことまでも知っているふりをしていたようです。そして神様をヨブ自身の目で見ることによって悟ったようなのです。
『無知をもって神の計りごとをおおうこのものは誰か』
それゆえ、わたしは自ら悟らないことを言い、
みずから知らない、測りがたいことを述べました。
<ヨブ42:3>
またヨブはこうも言っています。
「わたしは罪がない、しかし私は自分を知らない。」
<ヨブ9:21>
ヨブは自分が潔白だと言いながら、そのことを立証することができないのです。つかみどころのない、ガラス窓に映った景色のように、掴むことができないのですね。
そしてどうしてそうなのか、ガラス窓ばかり見ていてもわかるわけがありません。本物、実態をみなければ、そのものの、輝き、暖かさ、広さ、深さがわかりません。
「今はわたしの目であなたを拝見いたします」
<ヨブ42:5>
でも神様を見た時、その時、その瞬間、見えてくるのです。
神様の愛とあわれみ、自分がどれほど愛されていたものであったかを…です。
神様の愛はヨブだけではありません。神様の真実を語ることのできなかった友人をも、ヨブのとりなしの祈りを聞き入れ、恥を取り去ってくださいました。
「ヨブがその友人たちのために祈った時、主はヨブの繁栄をもとに返し、全ての財産を二倍に増された」 <ヨブ42:10>